ことばのみだれ


最近、2,3思うところあったので。
基本的には
ことばはみだれたことなどなかったしこれからもない
もしくは
ことばはこれまでみだれなかったことなどないしこれからもみだれつづける
という立場を取っており
もちろん個人的な勘違いを指摘されるのは
心底ありがてぇと感謝するのですが
不特定多数に向けて最近の若者のことばは。。。という類の小言には
人生の先輩とはいえ
「やめときなよ、知性の浅はかさを自らばらすのは。。。」と小生
思うたちであります。


落語を聴いていると
不思議な言葉遣いがたくさんある。
円生師などは蒲田を「かばた」、高田馬場を「たかたのばば」と
言い張っていたそうで
「かばたまでの切符を一枚」と言ったところ
駅の職員に
「かばたじゃなくてかまたです」と訂正されて張り倒してやろうかと思った
などというエピソードが残っている。
一方で
家元がとあるCDで
昔円生さんが
こうこうこういうことを言っておりましたが
この表現、あたしゃ、変だと思うんだ
と家元、円生師の日本語を訂正しておりました。
また円生師は「是が非でも」を「邪が非でも」だとおっしゃる。
歌舞伎界でもそうだったらしいのだけれど
広辞苑にそんな記載は見当たらない。
となると
こういった先人たちにとって
「どうにも、広辞苑も頼りがない」ということになる。
もう、こうなりゃどうしようもありません。
言葉の乱れを守るなんてことは
鉄砲水にとうせんぼするようなもんです。
きっと今日のこれまでの文章の中にも
間違った日本語があるのでしょう。


そんなことを思う人間ですから
あれ、変だなとふと気にはなっても
何も揚げ足をとろうなんて無粋なことは致しません。
先だっても
涼を取ろうと
近所の喫茶店に入って
メニューを見ると
「抹茶オーレ」とある。
オーレか。。。なんでオーってのばすんやろ?
なんでわざわざネイティヴに通じにくい表記にしたんやろ?
と気になり始めた。
オーレ、オレ、オーレ、オレ。。。
リズム的にはどっちもどっちやしなぁ。。。
オーレオレオレオレ〜♪
あ〜サッカーの応援歌のせいか。。。
オーレの方がいきがいいじゃん!ってことなのかね?。。。
んなはずはないよな。。。
そういえば
ボードレールの表記も変やなと思ってたんよな。
あれもボドレールの方が絶対ネイティヴに通じやすいわなぁ。。。
そうか、ある意味、規則的な表記なんやなぁ。。。
「ご注文おきまりでしょうか?」
「あ、抹茶オーレで」
「抹茶オーレでよろしかったでしょうか?」
「はい、抹茶オーレでよろしかったです」
と嫌味なく答える、アデオスなのだが
そんな私にも
世間に流通している許せない間違いが一つだけあるのです。
雑誌の『ヴァンサンカン』であります。
あれを見ると
積年の恨みみたいなものを感じる。
フランス語を十年習ってやっと気づいたのです。
おれは25歳を十年経ってもフランス語で言えなかったんだ!と。
この雑誌のせいで!
おそらく日本語をネイティヴにしているフランス語学習者の
大半は間違っていると思います、この『ヴァンサンカン』のせいで。
これを教育に悪いと言わないでなんと言おうってなもんです。
まちがってるんすよ、
まちっがてるんす
『ヴァントサンカン』なんです。
許せねぇ〜、十年もだまくらかしやがって、許せねぇ〜と
恨めしく思うのです。
あ、でも
「十歳」のふりがな、
案外間違える人が多いって聞いたな。
日本語でもそうなのか。。。
そうかそうか。
『ヴァンサンカン』
あ〜まぁいいやって気になった、今。
結局のところ
無駄に長い文章書いちゃったということだな。