もてない男のインテリア


言葉なんて無力だ
なんていう切り出しにしようと思っていたところに
id:belarbreさんが既にそんな話をしなすってたけれど
マイペースを貫くとして
言葉なんて無力だ、ととりあえず全否定するふりをしてみる。
かといって、無力だ無力だと思い込み続けると
不思議なことにも気づく。
例えば、
女なんかにもててたまるか!カーッ!と
頭の中で大見得を切ってみると
そこはかとない開放感に浸ることができる。
もう二度と、とか、ジャメ!とか
文頭において色をつけてもいい。
なんだか言葉に力があるような気もしてくる。
そんな開放感に浸ったせいで
なんだかすっと背筋が伸びるような気もする。
すっと背筋が伸びたものだから
なんだか女にもてるような気もしてくる。
念じれば通じない、それが言葉と恋心なんじゃぁないかとさえ思えてくる。
恋愛ほど努力が報われないジャンルは少ない。
追えば逃げる逃げれば追うというやつだ。
べたなはなしだが。


私の相棒の周囲の私の評価はものすごく芳しくない。
当たり前だ。のっけからあきらめてることだ。
強がりでもなんでもなく
そんなことはどうでもいい。
ただ、
芳しくなければ芳しくないだけ
二人の間が芳しいというのは恐らく偶然じゃない。
そういうわけで
一番手を抜くのは恋愛だと思っている。
誕生日を忘れたっていいんです。
ちょっと街中を彼女のことなんか忘れて散歩しているときに
ウインドウに飾られたオブジェが横目にチラッと入ってきた瞬間に
彼女の顔を思い出して
それを買う。
誕生日じゃない日に、これみて思い出してんと言いながら渡せばいい。
もうすぐクリスマスだねぇなんて話をふってきたら
ファック・ノエル!
Noël pour FUCK!
ぐらい言ったってかまわない。
年齢を忘れたって全然かまわない。
むっとした顔でいくつと言ってきたら
うっそ〜、見えない、ぜんぜんみえない〜って言えばよい。
髪の毛切ったの全然気づかなかったら
次回から会うたびに
髪の毛切った?超似合ってる、似合ってると叫べばよい。
ここっていうときにだけリキ入れればいいじゃないかと思う。
少なくとも二十代までは。
女の人だってそうだと思う。
子供は作っても
飯なんか作らなくていいんです。
私はというと
7年か8年かつきあっているけれど
ついぞ手料理を食わしてもらったことがない。
いや、一回だけ寝込んだときにおかゆを作ってくれた。
でも、それは、
わたしがお料理作ってあげるっていうじゃな〜い♪
でも、それ、レトルトですから〜
残念!
といったものだった。
食い気より色気、
夜も昼も蝶であれ、
そんな感じ。
家庭の料理なんてやろうと思えば
誰だってできる。
おれができてるんだから。
ともかく
安易にお母ちゃんにならないほうがいい。
少なくともお母ちゃんにさんざなったあげく
私はあなたのお母さんじゃないのよ!というのは禁止。
共犯関係なんだから。
ああそうだ、こんな話をするつもりじゃなかったのだ。
恐るべし恋愛のディスクール
そういうわけでもてない男のインテリアの話をしようと思ったのだが
また今度。
いつになることやら。