2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『英単語』その3 ≪2 文献学≫

2 文献学*1 自国語に加えて、ひとつの言語を習得すること。このために何が必要か。ごく若くして、外国人の行き交う場所で生活してきたということ。何よりも外国人自身にありがたい特殊な状況に近づくのが一番なのだ。だがいつもお望みどおりというわけには…

『英単語』その2

スラブ人、ドイツ人、ロマンス語圏の人々それに遠方のあらゆる民族が 実践的にであれ観念的にであれ、ブリテン諸島の言葉を学ぶことに興味を持っている。とはいえ、中でも我々ほどのところは他になく、それは最も隣接している故にそうだと言えるだけでなく、…

『英単語』その1 序 英語と歴史文献学 「第一章 英語と歴史文献学」 ≪1 英語≫

序 英語と歴史文献学 第一章 英語と歴史文献学 1 英語 英語とは何ぞや?重大且つ高度な問題である。ここで問われている意味において、つまり完璧にこれを解き明かすにはこのページの最後ですべて分析されてから初めて可能となるであろう。今のところ、英語…

史上最低の英語の教科書ステファヌ・マラルメ『英単語』について 

詩人マラルメは詩では食べていけず 高校教師もやっていた。 担当は英語だ。 しかし 頭の中は詩作のことしかなく この職をほとんど憎んでいると言ってもいいほど まるでやる気のない英語教師だった (マラルメもフランス人なのだ)。 やる気がないだけに評判…

読書メモ イヴ・ボヌフォア『ptyxの妄執―夢の批評的エッセー―』続

日本語で読めない本のことを言うのだから 曲がりなりにも要点を纏めようということで。 自分自身の頭の整理にもなるし。 六章のうちまず第一章について。 この章が読書として純粋に興奮できたので その興奮に任せ要点ではなく思うたところを この一章だけは…

ヴェルレーヌ『艶なる宴』より「貝殻」

二人愛し合った洞窟の 象嵌のごとき貝殻に ひとつひとつの味わいが。 ひとつは僕らの燃える赤 心の血潮を密かにうつし 僕は燃え立ち君は燃え盛る。 別のはしどけなく青白い君を 真似ているとからかう僕の目に、 けだるげに、君はむくれてみせる。 こっちは君…

読書メモ イヴ・ボヌフォア『ptyxの妄執―夢の批評的エッセー―』

イヴ・ボヌフォア。 フランス人なら凡その人は知っている、現代フランスの大詩人だ。 日本人なら凡その人が知っている現代日本の詩人と言えば、谷川俊太郎ということになろうか。 フランスはボヌフォアで日本は谷川、 何か、嘆息に近い 言葉にならない、嗚呼…