雑排

木漏れびや じゅうえんはげに 毛が生える


耕衣的熱さでいくと
炎天下 じゅうえんはげに 毛が生える
かね。こっちのほうがかっこいいかね。

東京に出てきた初日に10えんはげに気づいたのである。
はげとは無縁の髪質だったので
薄くなったらぼうずにすればええんでないの?と簡単に思っていたのだが、
このつるつるの部分をさわっていると
基本的に考えは変わらないが
ひとつクッションを置くことができるようになったかと思う。
何か書類に書き込みを、などとお願いされると
はーい、わかりましたと快い返事をしつつ
出された紙に覆いかぶさる直前に
ほぼ無意識にそのはげの部分を髪の毛でさっと隠すのである。
これがいわゆるバーコード発生のメカニズムなのだ。
徐々に徐々に、背丈のように気付かないうちにはげが大きくなる、
その度に、何気なくはげをさっと隠そうとする、
そんなメカニズムなのだ。
なんのことはない、
年を重ねれば年を重ねるほど
何か心に秘匿しておきたいことができて
それを隠そうとする、
横からあおられると
お前、どっかの磯かよ!的なざんばらになって
さっと手で何事もなかったように元に戻す、あの仕草、
誰だって心にそれをやってるんじゃないか、
そんなクッションである。


バーコード笑うやつにもバーコード


そんな感じだ。
そんなことより、いいことありそな句を思いついたのです。


新月や よやみにへたか さんなすび


季語とかはちょっと横においといて、
これがもう一息なのだ、
なんとかならんかね
句というやつは共作の方がときとしていいものができるような気がするけど。
いいことありそうな句ができそうなんだが
もうひといきなんだよ。