ファン・エイクとハンス・メムリンク

jedisunefleur2003-11-10

つまり 手法に関して メムリンクと四十歳年上のファン・エイクとの間にそれほどの違いを感じることはないのである。ひょっとするとどちらがより早く そしてより遠く歩んだのか疑問に思う向きがあるかもしれない。そしてもし日付によってどちらが先達でどちらが後進なのか知ることができないのなら よりいっそうの偉大な結果をはっきりと見て取って ファン・エイクが むしろメムリンクの教えの恩恵にあずかったのだと想像されるかもしれない。

ウジェーヌ・フロマンタン『昔日の巨匠たち―ベルギー・オランダの絵画』

兄弟とも名を残しているが 特に有名なのは弟ヤン(Jan)。兄は Hubert。
ヤン・ファン・エイクは 特に油絵の祖 すなわち近代絵画の礎を築いた巨匠と評価されている。
その名声は当時からオランダに限らず遠くはイタリアにまで鳴り響いていた。
ファン・エイクと言えば ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の≪アルノルフィーニ夫妻の肖像画≫。後ろの鏡も見逃すことはできない。この絵については かつてテレビ東京の『美の巨人たち』でも取り上げられている。鏡の中など細部にいたる解説や部分画については『美の巨人たち』のサイトにて。
またルーブル所蔵の≪宰相ロランの聖母≫もおさえておこう。宰相ロラン(1376-1462)の注文に基づくもの。左がロラン。右が聖母子。背景も俗なるものと聖なるものとに描き分けられている。
 

ファン・エイク ウェイデンに並び称されるオランダの画家。
死後しばらくして忘れられた画家となっていたが 十九世紀に入ると再評価の動き。
現在ベルギーのブルージュメムリンク美術館がある。
代表作に≪最後の審判≫や≪キリストの復活≫≪聖カタリナの神秘の結婚≫などの大作があるが ここではルーブル所蔵の≪神聖なる平和の象徴 オリーブの枝を持つ天使≫を挙げておこう。