ルーベンス ≪キリスト昇架≫ ≪キリスト降架≫

キリスト降架

それにもし これら二枚の重要な作品が発表された時代に身をおいてみれば 一方が人々をより満足させ より説得させたのに対して 他方はより一層驚かせたに違いなく 何かずっと新しいものを感じさせたのだと了解されるのである。

フロマンタン『昔日の巨匠たち―ベルギー・オランダの絵画』

「二枚の重要な作品」とは ルーベンスの≪キリスト昇架≫と≪キリスト降架≫である。
「一方」が 円熟味を伴い より多くの人気を博している≪キリスト降架≫(1612)で「他方」が≪キリスト昇架≫(1610)である。
現在も ベルギー アントワープノートルダム大聖堂の祭壇画として公開されている。
そう あの『フランダースの犬』で最後の最後に ネロ少年が夢にまで見た祭壇画を拝みつつ 幸せそうな顔をして愛犬パトラッシュとともに息を引き取っていくという涙なしでは語れないシーンがあるけれど それがこの絵画。
この絵画についても『美の巨人たち』でかつて取り上げられている。

画家であり外交官。
アントワープ派 オランダ・バロック時代の祖。
ドラクロワが その人間と自然の調和を「絵画界のホメロス」と称えるなど
時代を隔て 果ては印象派ルノアールにまで多大な影響を与えている。

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美の巨人たち