『英単語』その6

 
 英語にはなくて他の言語に固有の特徴などひとつもない。従って英語の文献学は広い価値を齎してくれ、そしてその他に大いに探求する手間を省いてくれるのである。一見すると、ひとつの言語を充分に認識し、それをすっかり把握するには、存在する言語そして存在した言語までも含めてすべて知らなければならないように思えないだろうか?もっともそれは内部からそれを吟味し、部分を部分のみで比較し、それにより論理的な構造を見出し得なかった場合のことである。博識に与っていない者、もしくは英国人でない者にとって、あちこちにある困難。さて何をすべきか?単にフランス語から英語を学ぶこと。何故なら目を彼方に向けるどこかに身をおかねばならないのだから。だがそれでも観察地点が適しているのかどうか事前に確認しておくこと。諸々の関係がこれら二つの言語に結ばれるとするならば、この諸々の相違は、このような研究の正当性を決定付けることとなろうが、それは一旦、視点(以下の頁ではっきりするが)を試みてからの話である。

いや〜マラルメって博覧強記だね
などと思われても困るので
付記しておくと
これは翻訳とは言えないまでも
ひとつの種本があって
それを端折ったり順序を入れ替えたりしながら
マラルメ語に置き換えたものですので
悪しからず。