『英単語』その7 ≪考察≫


考察


 読者諸君、諸君らがここでご覧になっている一冊の著作の教えるものは筆記固有の特徴、つまり綴りと意味に限定されている。発音に関しては、二つに一つ、それを身に付けているか、先生にこれらの頁にある語彙のどれでも唱えて貰って、つまり補って貰って学び取るということになる。外国語の学習は、その他、自発的に必要だと、この言語の先生が採り入れる教え方がいかなるものであれ、優れた作家を声に出して読むことにある。私のものに並べて、一冊紐解いてみる、『ロビンソン・クルーソー*1、『ウェイクフィールドの牧師』*2、それに練習してみようと思うものならどれでも。何があるのか?まずは単語。それ自身は文字からなっているが、単語が連なり、そうして文章となる。息吹の如き、知性の流れ、つまり精神なるものが、これらの単語に動きを与え、そのうちの幾つもに意味だけでなくニュアンスも伴うことになる。単語には名詞に形容詞、代名詞に動詞、はたまた冠詞、前置詞、副詞そして間投詞があり、これが「品詞」と呼ばれる分類である。完全な意味になるように幾つもの単語を集め、そこにこの揺らぎが生じるが、そういった中での語彙の書き方の多様性、つまり文章内の意味によって規定される文面の変化といったものが「文法」を構成し、すなわちそれが「言語」の形式的研究であり、残るは、個々の動きのない術語そのものの物質的研究、すなわち「語彙論」である。これから読むことになる文献学は、あらゆる文献学と同じく、この二つのもの、「規則」と「語彙」を含むことになる。そうして二巻のそれぞれにこの二つの問題を割り当てて論じるが、ここに実際にあるのがそのうちの一冊で、「単語」に関するものである。各頁で私は多くのものに共通している法則に基づいてその例を示す主要な術語の幾つかを纏めようと思っている。これによりまずこれらの術語は忘れらぬものとなり、それからただちに自ら努めて探し出す同属語もそういうことになる。少しづつ言語全体がその均整と偶然の中、目の前に現れる、そう、正式に考察された幾千もの単語が語の周りに語を呼び集め、英語が数える四、五万語となるのである。

*1:デフォー

*2:ゴールド・スミス