ラガーフェルド祭り


韓流というのが日本ではブームだそうで
なにやら、ドラマの地ツアーというのが
主婦の間で絶賛好評だと言う話を聞いたとき、
正直、
とほほ。。。と思ったぜ、おれは。
ところで
ここのところ
ローデンバックの『死都ブルージュ』を読んでいる。
19世紀末の小説なのだが
これが珍しく、現代っこにも違和感のないちゃんとした小説になっている。
詩人なら小説も書けるというのが実によくわかる物語で
話の構造のみならず
情景描写が実にポエジーに満ち溢れ
ちびちび読んでいこうと思ったのだけれど
カッパえびせん状態で
象徴派やるじゃないか!などと、
挙句の果てに、
ブルージュに行ってみたい
と思い始めている自分に気付いたのだ。
とほほ。。。


二日ほど前、
H&Mというユニクロみたいな値段の服屋さんへいった。
かのシャネ〜ルのデザイナー、ラガーフェルドコラボの服が解禁されるからだ。
日本の知り合いに頼まれたこともあったけれど
自分自身も楽しみだった。
ひとつはラガーフェルドがいつも着ている異様に襟台の高いシャツを着てみたかったということ。
なんつったってそのシャツが100ユーロ弱で買えるというのだから
買うっきゃない!という素直な意気込みと
また一方でとっても意地悪な興味とが入り混じった気持ちで足取り軽やかに向かったのだ。
それはこういう興味だ。
日本女子はブランド好き、ブランド馬鹿、ブランドキチと
現地でも有名で
要するにブランド名さえあればいいんだろ?
だから本当の意味ではおしゃれではないといった認識に
俺はひそかにひどい予想を立てていたのだ。
結局のところ、一言で言えば
フランス女子が貧乏なんだろ?と。
みんなおんなじ人間じゃないか、
きっと
買いたくても買えないだけなんだろ?と。
それを確認するときがとうとう来た!という興味だった。
もし、閉店間際の店に
たんまりとラガーフェルドの服が残っていたら
やっぱりフランス女子は真におしゃれだと、
俺は俺の負けを認めてやると腹に決めていたのだ。
そしたらどうだ、
ハンガーキャリーはその骨組みをむき出しにし、
光に照らされ銀反射していたのだ。
しかもだ、
そのキャリーの下に目をやれば
なにやらハンガーの折れた一部なんかが散乱している始末。


つわものどものゆめのあと
くにやぶれてハンガーあり


とだじゃれのひとつも出てくるっちゅうもんですよ。