ショワジー・ル・ロワ焼


Choisy le roi.
「王」の名が含まれる通り、
ルイ十五世が狩をするため、ここに城を設け、
世界最強の出世魚のひとりであるポンパドゥール夫人や
アントワネットらが、ここでしばしば宴を催したという。
そんな町だから、近所だし、一度行ってみようと
ショジールロワってパリから実際どれくらいかかるの?
とフランス人に尋ねると
引越しでもするの?という答え。
それを聞き、即座に行くのを止めたことを思い出す。
事実、現在はパリの南、
セーヌ沿いの郊外に位置する住宅街となってしまっているのだが、
やはり、王家ゆかりの土地だけあって、
かつてあった釜で焼かれた大皿などは
なかなか豪奢、
コーディネートの破壊力抜群で、
骨董的価値も高い扱いを受けている。
従って
上の写真は
典型的なショワジールロワ焼きではなく
そもそも、ショジールロワなのかどうかも怪しいものだ。
ここのサインは一般的に
ショワジールロワHBのマークがあり、
HBがひとつに合体しているのだが、
上のお人形さんにはHBのサインしかないのだ。
こういった古物や中古のブランド品といったものを購入するときに
だまされない唯一の方法は、
私のようなズブの素人は
にせもんでもイイ!と思えるものを買うことだ。
島国根性ののんきな心持がなせるわざか
我等日本人が思っているよりずっと多く、
そしてたくみににせもんが出回っているような、
時がたつにつれそんな気がしているので
もはや、そう思うしかないのだ。
手品のトリックは素人にはたいてい分からないものだ。
色々、調べてみると
一般に知られている
やれ、ロゴがどうだの、保証書があるからどうだのといった
にせもんとほんもんの見分け方なんて
大して効果はないようだ。
だって、ほんとの見分け方なんて、
企業秘密にきまってんじゃないすか。
ばらしたらぱくられるじゃないですか。
一から十までトリックをしゃべってくれるマジシャンなんていますかいな。
とりあえず、どのブランド、どのメーカーまでにせもんがあるのかの
リストぐらいはあって欲しいけど、
まぁ、貧乏くさいことは言わずに、
だまされたくないなら、
新しく買うことだというところに落ち着くしかないようです。


話を元に。
ちなみに上のお人形さんは私の趣味ではありません。
ぶっちゃけ、かわいいけどね。
我がオカンが人形を集めていて、
留学したての頃、
なんかかわらしいおにんぎょうさんあったら
こうてきてって言ったんだが、
んな、あほな、フランス人って伝統的に
顔の造形下手糞やで。
画家で考えてみ、
ルノアールの顔なんかへたっぴぃやでぇ
ゴッホゴーギャン、、、絵としては味はあるけど、
あんな人形いややろ?
フランス人形も気持ち悪いやろ?
フェルメールデューラーレオナルド・ダ・ヴィンチ
み〜んな外人やで。
と言い返したのだが、
あった。
あったのだ。
これはオカン、泣きよるでと思って、
ちょっと値は張ったんだが
とはいっても
マイセンなんかの人形買うよりゼロ一つ少ないからええやろということで
購入。
ちょっと欠けがあるけれども。
これは一輪挿しなのだ。
実家に帰ったら、
あの理不尽なオカンも
多分、一週間ぐらいは、おれに優しいだろう。
天使様が見守ってくれるよ、きっと。
それにしてもこの手の立体的な割れ物は持って帰りにくいんだよなぁ。