焼きいれたらぁ

Accolay

アコレイ。 フランスの焼き物銀座 ブルゴーニュの街である。 かつてこの街にあった窯を 戦後すぐに 数人の有志が集まって 復活させてできたのが アコレイ焼だ。 八十年代初頭に既に窯は閉じられているらしいが、 戦後から六十年代、七十年代の窯である上に、…

Langeais

ランジェ。 ロワールにある街である。 地方の焼き物で 妙に高値のつくものがあるが、 このランジェ焼も ほぼもれなくそうだ。 ここのものは 写真のような バルボッティンヌと 長い間私のつけねらっていた 19世紀のものとは思えないモダンなシルバーの縁取り…

デルータ

体系的に学んだこともなく、 いまだに焼きの専門的な技術なども大して知らずに 自分の体験と感覚だけで 何か編纂にも近いことをするというのは なかなか楽しいことではある。 しかも 何か新たな興味に埋没し いろいろとリサーチしてゆくと みうらじゅんだと…

ジノリ

イタリアのジノリ。 この手の伝統的な有名メーカーに往々にしてあるのは ピンキリということだ。 マイセンとか景徳鎮とか 王様用とへっぽこ用とが昔から存在する。 ジノリも付いている値段の差を見てみると どうやらそうらしい。 もちろん私のものはへっぽこ…

ウェッジウッド

ウェッジウッド。 ここまでメジャーだと興味を抱かない上に、 代表的なものがジャスパーシリーズという ザラザラとした、 あまり日本の食卓に馴染み得るようなものでないなぁという 印象を抱いている以上、 私としてはかなりどうでもいい英国の焼き物メーカ…

クラウン・スタッフォードシャーとロイヤル・ウースター

ごめん、 海渡る。 英国もの。 ドイツはドイツらしいゲルマン!!といった陶器を産出し、 フランスは、 リモージュやセーヴルを除けば、 民臭的と勝手に呼ばさせてもらっている陶器を産出する傾向が強いように思うのだが 英国ものを一言で言えば すばりエレ…

バヴァリア

ちょっこす 内陸へ。 きりがないので 恐る恐るなのだが。 BAVARIA. 今で言う ドイツ南部、ビールやソーセージで有名な バイエルンである。 ここも陶器が数多くあるのだが 私のものは比較的新しいもので 七十年代風デザインの ショコラチエと呼ばれるポットだ…

ヴェスターヴァルト

WESTERWALD とうとうアルザス・ロレーヌの国境を越えてしまった。 土に国境はないのだ。 ライン川沿いの奥深い山地にあるヴェスターヴァルトも エエ土が取れるようだ。 いろいろチェックをしてみると ここの粘土を加工してガーデニングの土として販売もされ…

NIDERVILLER

ニデルヴィレ。 アルザス・ロレーヌベルト地帯の窯は非常にいい仕事をする。 ここの焼き物も、 すたれることなく、 いいものを作り続けているようだ。 ルーヴルのおみやげもの屋に、 ナポレオンの奥さん[ジェゼフィーヌ]だったか 三世の奥さん、ウジェーヌだ…

サン・ルイとヴァル・サン・ランベール

陶器は高くても そんなん金もうてもいらんわというものがしばしばあるのだが ガラスは高ければ高いほど美しいという分かりやすいものである。 だから 物欲と経済力がしのぎをけずり、 貧しいものが手に入れると それをしげしげと眺めるうちに 己の貧しさに気…

 ポルニック焼

ブルターニュよりも僅かに内陸部にある ポルニック[PORNIC]というところも 大西洋岸に近いだけに ブルトン人ゆかりの町である。 ここの陶器も カンペールほどではないが、 いい意味で商売っ気を感じさせるブルトン風の作品を数多く作っている。 上の写真はフ…

サン・ジャン・ド・ブルターニュ

Saint Jean de Bretagne. その名が示すとおり、 ブルターニュの焼き物である。 ブルターニュの最終兵器だ。 専ら幾何学文様からなり、 ケルト的なこと、最もラディカルな作風である。 歴史をひもとけば、 十五世紀にまで遡ることができるということからも そ…

ケラリュック

ケラリュック[KERALUC]。 セラミック+リュック[創設者ヴィクトール・リュカス そして福音記者であり絵心もあったルカ]から 付けられた名前である。 簡単に言えば HBカンペールの分派である。 従ってブルターニュの焼き物である。 この歴史を紐解いてみると…

デルフト焼

フランスのもの以外はよっぽどお気に入りや おみやげに適したものでなければ 収拾がつかなくなるので 目を向けないようにしているのだが、 今日はオランダのかの有名な デルフト焼。 私が取り上げる必要もないだろうし、 私自身もそれほど前向きな興味を抱く…

ウランガラスとクリスタル・ダルク

売り手によるとアール・デコ期にドームのデザインなどを手掛けた Avesnによる黄色い灰皿。 恐らくはAvesn[読めない、このつづり]ではないだろう。 骨董ガラスの恐ろしいところは 古いければ古いほどサインがないということだ。 なので基本的に興味を示さない…

カンペール焼

ブルターニュの焼き物として、 世界中で知られるカンペール。 パリでも、ポンピドゥーセンター近くのサン・マルタン通りだっけかに カンペールの店がある。 私自身、二、三度覗かせてもらったが、 日本人の観光客を見かけたこともあった。 大体はフランスの…

クラムシー

フランスでは 毎年、新年明けての第一日曜日[主の公現祭の日]、 馬の糞型のスイーツ、 ガレット・デ・ロワ[王様ガレット]を食べる風習がある。 フランスのスゥイーツでは珍しいことに、 濃くのある甘味もさることながら、 興味深いのは、 この中に FEVE[フェ…

サレグミンヌとディゴワン

アルザス・ロレーヌ地方を代表する陶器の街、サレグミンヌ[Sarreguemines]と ブルゴーニュ地方を代表する陶器の街、ディゴワン[Digoin]を、 今日ここに同時に取り上げるのは 適当なチョイスによるものではない。 現在では、何回か前に触れた サン・クレマン…

ストラスブール焼

朱の大輪で有名なストラスブール焼き。 十八世紀に三代にわたってアノン[Hannong]一族により 定着されたこのデザインは、 現在もストラスブール焼において守られているのみならず、 フランス国中、さらには世界中にと言ってもいいであろう、 明らかにこのモ…

ロンウィ

この二、三年、フランスの焼き物を眺めてきて、 これであがりだとか フランス陶器のキモとったとか タマとったと思えるものが二つある。 二つだからタマだな、という話はさておき、 ひとつは 南仏のヴァロリスという町の陶器だ。 ここほどピンキリという言葉…

リュネヴィル焼

リュネヴィル[Lunéville]焼。 前々回紹介させてもらった サン・クレマン焼と古くからオーナーは同じで、 現在は、サレグミンヌという 恐らく次回、もしくは次々回に紹介することになるであろう町の焼き物を含めて K&Gという会社が一括して経営している。 …

ヴァレリースタール、縁日ガラス

今日は、いつもと違う焼きである。 ガラス製品である。 我が相棒氏が いちごちゃんグッズを集めているという 頭のいたいたしい話をするので 真のいちごちゃんグッズとは、これだ! というわけで入手し、 さっそく 日本に送り付けたのだが、 届いてみると、 …

サン・クレマン焼、バルボッティンヌ

前回のノール県の焼き物も含めて、 フランス北部から北東部、 ベルギー、ドイツとの国境地帯全域に 窯が多く存在する。 今日の、サン・クレマンもそういった ベルト地帯のひとつであり、 特筆すべきは バルボッティンヌ[Barbotine]という作風である。 スタン…

ルレ・ルノロー社(アングレーム)とノール焼(オルシー、サンタマン、アマージュ、ムーラン・デ・ルー焼)

こまったときのサンドリエ[灰皿]である。 にんにく切った、 たまねぎきざんだ ピーマン切って、となると 必ずやいくつかの破片がまな板の外で場外乱闘ということになる、 そんなときのサンドリエ。 小皿として用いている。 プラスティックみたいにタバコの熱…

マルセイユ焼

マルセイユ、ヴーヴ・ぺラン工場。 十八世紀の工場である。 マルセイユ焼を代表する工場である。 これと同じくまっきいろなお皿をしばしば見かける。 典型的な色使いなのだろう。 モチーフとしては こういった大柄な花のほかに おでこから、 というかおでこ…

ボルドー焼

地方の焼き物の中では珍しく「精陶器」という表現が与えられる ボルドー焼は 残念ながら十九世紀の後半にかけての七十年弱しか存在していない。 それだけに高値がついてやっかいであるし、 精陶器とは言え やはり英国なんかで見られるボーンチャイナや フラ…

ムスチエ焼

昨日いた場所からそのまま南下して 南はプロヴァンス方面へと赴くことにしよう。 Moustiers 十七世紀後半から幾度か消滅の危機を乗り越え[二十世紀には実際、一度消滅している] いまでも続く ムスチエ焼、 花柄や極楽鳥と呼ばれる鳥など 南国らしい絵付けを…

マリコルヌ焼

Malicorne おととい「話し皿」のことを触れたので、 今一度北上して、 マリコルヌ焼のことを。 マリコルヌ、 パリの南西250キロ。 ル・マンから30キロほどの村落である。 起源は1747年、 こんな地域なのになぜだか カンペール風のデザインで もはや伝統…

ロンシャン焼

ロンシャンと言っても競馬場ではない。 カバン屋でもない。 ブルゴーニュ地方、 マスタードで有名なディジョンの近くにある 小さな町だ。 いまでも細々とロンシャン焼というものが作られているようだが 息も絶え絶え、 伝統工芸品状態になっている様子など、…

ヌヴェール焼

今日から南下して ブルゴーニュ地方に入ります。 最も気になる焼き物のひとつ、 ヌヴェール焼き(Nevers)。 ここの歴史は古く、 1648年が始まりの年となっている。 歴史の古さによるものか、 その作風はルネッサンスの名残をとどめ、 ペルシャからも中国か…