ムスチエ焼




昨日いた場所からそのまま南下して
南はプロヴァンス方面へと赴くことにしよう。
Moustiers
十七世紀後半から幾度か消滅の危機を乗り越え[二十世紀には実際、一度消滅している]
いまでも続く
ムスチエ焼、
花柄や極楽鳥と呼ばれる鳥など
南国らしい絵付けを特徴とする焼き物だ。
実際、
とても親しみやすいデザインで
パリでも、またプロヴァンスとは全く関係のない都市でも、
どことなく素朴で陽気だけれど洗練されてもいる
ここの焼き物がウインドーに陳列されているのを見かけることがある。
確か、ブルゴーニュディジョンがルーツの
マーユという有名なマスタード屋の本店[マドレーヌ]にも
極楽鳥がモチーフの芥子壺を用いた商品があったと思う。
日本の東京と違って
フランスのパリには
首都だからといって地方の名産品が容易に手に入るとは限らない。
そんな中で
いちいちそのものの裏まで確認しないので
ムスチエのデザインを模しただけのものなのか
デザインのライセンスだけとって
各地の工場で生産されたものなのか、
いまだに知らないが、
比較的多くのパリジャンに
このムスチエ焼だけは、恐らくそうとは知られずに
愛されているように見える。
ただ単に売込みがうまいのか、
それはともかく、
ネット通販なるものも
地方の焼き物には珍しく大々的にやっていて、
そのレパートリーたるや、
焼き物でどこまでできるか挑戦でもしているかのようなのだ。
トイレットペーパーの被せの部分やトイレのブラシの器といったものまで
生活していて気付き次第手当たり次第商品化しているんじゃないかという気さえする。
私が購入したのも、
陶器ではあまりみかけない
キッチンのスポンジ入れだ。
気になる人は下を覗いてみてはいかがでしょうか。
フランス語ですが
目玉が飛び出るような値段のついた伝統的な柄から
お値段控え目の商品まで
ありとあらゆる身の回り品をここで揃えることができるでしょう。

http://www.violondingue.com/fr/somachat.htm