クラムシー



フランスでは
毎年、新年明けての第一日曜日[主の公現祭の日]、
馬の糞型のスイーツ、
ガレット・デ・ロワ[王様ガレット]を食べる風習がある。
フランスのスゥイーツでは珍しいことに、
濃くのある甘味もさることながら、
興味深いのは、
この中に
FEVE[フェーヴ]と呼ばれる
数ミリほどの陶製などでできた小さな破片が入っていることだ。
ガレットを人数分に切り分けて
そのうちのひとつにこのフェーヴが紛れ込んでいるという算段である。
何も知らずにこれを齧ってしまったときなどは、
うわ、銀歯取れてもた!!
と一瞬、慌てることになるのだが
実際は、縁起物である。
当たりなのである。
王様として、
ガレットを共にする人々に
新年早々、一番が王様の乳首舐め!などと命令することができると言う[多分、嘘]。
そんなガレット・デ・ロワにまつわる風習であるが、
これが伝統的なものであるだけに
探せば
この中のフェーヴそのものも意匠が凝ったものが見付かり
実際に数多くのコレクターがいるようである。
このフェーヴを名産にしているのが、Clamecyである。
ブルゴーニュ地方の都市だ。
http://www.fevesdeclamecy.com/
上のサイトで[CATALOGUE]をクリックすれば商品一覧を拝むことができるが
私はと言えば、残念ながら
そんな無用の長物に興味を抱くようなタチではないので
かつて取り上げた同じくブルゴーニュのヌヴェール焼のポットと番にしてやろうと
クラムシーのポットを購入した。
しかし、
ガレット屋はガレット屋である。
フェーヴ屋はフェーヴ屋なのである。
絵柄などは人によってはイイ!と思うかもしれないが、
蓋と胴体の大きさが微妙にずれて、フタフタいうのだ。
デザインそのものも個人的には妙なずれを感じてしまう。
率直に言えば
なかなかぶっさいくな嫁はんなのである。
なので
ハッカクと呼ばれる
いとも麗しい異臭を放つ中華料理の香辛料を入れている。
いや、でも、
この八角で炒め物をするとおいしいよ。
大量に余っているので
一声かけてくだされば
10ユーロで売ります。


不適切な表現を盛り込んだ文章の後で、
紹介しても失礼かもしれないけれど
綺麗に整理されているので、
ガレット・デ・ロワ及びそれにまつわる風習・歴史について以下を参照されたし。
http://d.hatena.ne.jp/becassine/20060110