NIDERVILLER



ニデルヴィレ。
アルザス・ロレーヌベルト地帯の窯は非常にいい仕事をする。
ここの焼き物も、
すたれることなく、
いいものを作り続けているようだ。
ルーヴルのおみやげもの屋に、
ナポレオンの奥さん[ジェゼフィーヌ]だったか
三世の奥さん、ウジェーヌだったか忘れたが、
その愛用の食器のレプリカが売られているが、
それを請け負っているのが
このニデルヴィレだ。
極めてアクの強いデザインでありながら
なんとも言えず愛くるしい食器に、
ルーヴルに行くたびに
手にとって眺めていた。
ただちょっと贅沢な値段で
ひょっとしたら飽きてしまうかもという懸念もあって
買い控えていた。
買い控えて正解だった。
別のところで
写真のものを見付けたからだ。
これほどまでに
俺の乙女心を
ぱっかぱっかにさせたものはない。
愛しくてしょうがない。
やっぱり、人間のみならず
物も愛嬌だとしみじみ思う。
「ガラ入れ」と書いてあるので、
将来はこれを食卓において
蟹でも食いたいぞ、おい。