久方ぶりのニッポン

久しぶりに帰ってきた。
一年半程度しかたっていないが
前回よりもさらに違和感を感じてしまう。
そんなニッポンを四字熟語で表現するなら
慇懃無礼」だ。
何を買うにも分不相応で
流れ作業的な敬意を表され
毎度むずがゆい思いをさせられる。
パリはパリで
その愛想の悪さに
しばしば、
産業はね、
第三次まであるんですよと言いたくもなったのだが、
一期一会なんです、要は。
そこを忘れないでいただきたい。
道は道で
異常なほど清潔で
ヒトケを感じない。
舐めることだってできそうだ。
少年のようないたずら心と
ちょっとした度量さえあれば
道端といわず
道の真ん中で
のぐその一回や二回、
大きいやつをしたくもなる。
そのくせ
ごみの量ははんぱじゃない。
慇懃無礼のせいで。
それを屋内で抱え込まなくちゃぁならない。
もったないの精神は
フランス人の方が間違いなくある。
ちょっと粗大ごみを
アパルトマンの前において御覧なさい、
30分あればなくなっていますから。
粗大ごみを捨てるのにお金なんて絶対かかりっこないですから。
それを見て
失笑したり
おれがストーキングされてるのか
アパルトマンがストーキングされてるのか
と不安に感じるニッポン人の中でもルーズな俺が
こんなリアクションしか取れなかったのだから
もったいないの精神が現代ニッポンに根付いているとは到底思えない。
結局のところ
ANYWHERE OUT OF THE WARLD.
な奴ですよ、おれは
どこにいたって愚痴ります。