ケラリュック



ケラリュック[KERALUC]。
セラミック+リュック[創設者ヴィクトール・リュカス
そして福音記者であり絵心もあったルカ]から
付けられた名前である。
簡単に言えば
HBカンペールの分派である。
従ってブルターニュの焼き物である。
この歴史を紐解いてみると、
戦後からの窯で、それほど長い歴史があるわけではない。
それもそのはず、
創立者のリュカスが
アンリオ[HBのHの人]に
モダンなカンペールを作りたいと提案したことが始まりだからだ。
確かに、
芸術的とも言える作品も多いが、
個人的印象では
本家のカンペールよりも
ブルトン的という以上に
さらに始原にまで遡って
ケルト的とさえいえる絵付けだ。
私のパイプなど、その典型で、
ケルトカンディンスキーとでも言おうか、
かなり原始的なエネルギーを感じさせるデザインとなっている。
ブルターニューの焼き物は
私の知る限り三種類あるが、
どれもこれも
かなり土着の臭いが濃厚なものばかりで、
長い間、
見上げたいやげものだなぁと
指をくわえて眺めているだけだったのだが、
油断していると、
老ボクサーのラッキーパンチさながら
一世一代のクリティカルヒットを食らってしまうのだ。
前々回のカンペールの黒い器もそうだったが、
上のパイプもそうだ。
基本的には、パイプヘッドのような
団欒とは程遠い
いがいがした模様が全面に描きこまれているのだが
そんな皿など
欲しくなろうはずもなく、
ここんちの陶器を一生所有することはなかろうなどと思っていたのだが
このパイプを一目見て惚れこんでしまったのだ。
にわかにブルターニュが熱くなってきた。
そんなわけで次回もブルターニュの焼き物を。