サン・ジャン・ド・ブルターニュ



Saint Jean de Bretagne.
その名が示すとおり、
ブルターニュの焼き物である。
ブルターニュの最終兵器だ。
専ら幾何学文様からなり、
ケルト的なこと、最もラディカルな作風である。
歴史をひもとけば、
十五世紀にまで遡ることができるということからも
それは頷ける。
水や木や火なのだろうか、
それぞれの要素が抽象化され、
組み合わされることにより、
無限のレパートリーを
ここの焼き物は誇っている。
個人的には
あまりにおおっぴらに
こういった文様が描きこまれているせいで
目がちかちかするほど
いやげものであったはずなのだが、
ここにきて
上の小物入れを見つけてしまった。
ぶ厚く黒く波打つ縁取りと
中心の幾何学文様との調和が見事な一品である。