Langeais



ランジェ。
ロワールにある街である。
地方の焼き物で
妙に高値のつくものがあるが、
このランジェ焼も
ほぼもれなくそうだ。
ここのものは
写真のような
バルボッティンヌと
長い間私のつけねらっていた
19世紀のものとは思えないモダンなシルバーの縁取りが
特徴の食器があるのだが、
奇妙なことに
バルボッティンヌでなくともかわらず値が高いということも
やはり特徴と言えば特徴だろう。
あまりに高値が付くものだから
何か特別な伝説でもあるのかとリサーチしてみると、
あったのだ。
なににつけても
ここのものは
銀光りしているのだが、
なんと
当時最先端だった
白金を使っているそうである。
あんまり趣味ではないと思いつつも
安かったので入手してしまった
私のブツは
鉢入れだ。
小さな鉢入れ。
おそらくサボテンぐらいしか入らないような大きさなのだが、
それにしても
やっぱりよくできている。
凝りようがほかの田舎焼きとは違うのだ。
手抜かりがない。
バルボッティンヌの繊細かつ複雑なデザイン、
それを彩る鈍いシルバー、
しかも地が微妙なマーブル模様になっているのである。
恐らく、
ランジェ焼、
入手して日に日にほくほくするタイプの焼き物である。