2004-01-01から1年間の記事一覧

ジャン=イヴ・タディエ『二十世紀文学批評』より「ロラン・バルト」2

Barthes distingue quatre grandes rubriques : I. Langue et Parole ; II. Signifié et Signifiant ;III. Système et Syntagme ; IV. Dénotation et Connotation. La première division reparaît sous la forme Code/Message (Jakobson) ; cette catégorie …

ジャン=イヴ・タディエ『二十世紀文学批評』より「ロラン・バルト」1

で、 最近いい本を見つけた。 Jean-Yves Tadié : La Critique littéraire au XXe siècle, Agora. タディエの『二十世紀文学批評』でアゴラのポケット版だ。 二十世紀批評事典といってもよいだろう。 日本語に訳されているのだろうか? 訳されていないのなら…

モリエールでおま『タルチュフ』第三幕 第三景

どうしても訛りを拒絶する人物がいたりする。 そのほうが精彩があってよいというもの。 顔が小さく、首の長いりんとした女性なんかがそれだ。 その症例。 関西圏の女子にはべたなイメージを喚起してしまって悪いんだが。 もちろんいますよ関西にも美人が。 …

オクターヴ・ミルボー『芸術家たち』よりフィンセント・ファン・ゴッホ

ハッハッハッ おもっくそ かっこつけたった♪ この写真に 題をつけるなら 「太陽はしじまをも照らし出す または 三流ミュージッシャンのCDジャケット風 ゴッホの麦畑和え」 に違いない。 んなわけで ゴッホ最期の町 オーヴェル・シュル・オワーズに赴いた。 …

モリエールでおま『タルチュフ』第三幕 第二景 

キャプ「ぼいんはあかちゃんのためにあるんやおまへん」 Tartuffe , parlant haut a son valet, qui est dans la maison des qu’il apercoit Dorine. Laurent, serrez ma haire avec ma discipline Et priez que toujours le ciel vous illumine. Si l’on vi…

講演「ヴィリエ・ド・リラダン」

マラルメは詩人として 知られているので 詩を先ず読もうということになるのは 自然の流れですが 個人的には 訳を読んだところで仕方がないと思っております。 あれら翻訳詩はボードレールもランボーも含めて 私自身 誰の訳であれ 楽しめた験しがないので、 …

モリエールでおま『タルチュフ』第一幕 第五景

前回の続きだが 私は抜粋の朗読CDなるものやテキスト選集なるものが好きだ。 何が名作と呼ばれる所以なのか そのエッセンスが詰め込まれているように思えるからだ。 だから自分の研究対象とは全く無縁のテクストでもついつい読んでしまう。 残念ながら日本に…

モリエールでおま『タルチュフ』第一幕 第四景

病院の待合室つらそうランキングは ぼくの知る限り 精神科と 意外にも 耳鼻咽喉科だ。 メニエル病なんだろうか、 あれは大変そうだった。 私はといえば モリエール病だ。 じぇんじぇんだじゃれにもなっていないが それはともかく モリエールに病み付きという…

ヴィリエ・ド・リラダンのバイト 

≪Savez-vous quelle est a l'heure presente la profession de Villiers de l'Isle-Adam? - Non, non. - Eh bien! il est mannequin chez un medecin de fous...Oui, mais il est le faux fou, dont le docteur dit: "il n'est pas tout à fait gueri, mais …

レオポルド・ドーファンの回想録より

たまには更新しておこう。 賞賛という行為を伴う証言は割り引いて聞かなければならないが ややもすると賞賛されている本人の業績、作家なら作品、よりも 面白かったりするものだ。 今回も相変わらずマラルメにまつわる証言だが その内容が面白いだけでなく …

ジオット

メトロのポスターは油断も隙もない。 先日も『GIOTTO』というやけにでかいポスターを見かけ 足をとめてしまった。 急に足を止めたものだから 後ろの人がぼくの背中に突っ込んでしまい オ、パルドン!と謝ったのだが その人も 余所見をしていたらしく …

『英単語』その21「序文」最終回

シェイクスピア、ミルトン、シェリーそしてバイロンそれにあれほど多くの素晴らしき散文家達、彼らこそここで検討した言語の二重の宝を、幾世紀にも亙り、伝え合ってきた天才達である。これらの巨匠達のいかなる者も誤った愛国主義から、言語に於ける未開の…

文彩「アンチテーズ」

こちらのスーパーに行くと お肉のコーナーに 必ずロチ用の肉が でーんと構えて売られている。 甘やかされた少年、 それに甘えてきた小おっさんとしては このロチ肉を見て 羨ましいなぁ お前と声をかけたくなる。 ただそれだけでは 型崩れしそうな肉塊に 紐が…

『英単語』その20

これまで幾つか抜粋した文学上の傑作のうち後半のものによって切り開かれ、固まってゆく国語の登場について、幾つかの説明が程なく上で述べた事実を後付してくれる。ウイクリフによる『聖書』翻訳や『農夫ピアス』といった二つの重要作品は、とりわけかつて…

『英単語』その19

書物だとか、中世の学者だとか以上に、授業は全くと言っていいほどひとつの言語で行うことができかねていたのだが、というのも依然、あまりに亡羊であまりに纏まりがないので書くための言語を固定できなかったのだ。教育から取引、社会的な人間関係に至るま…

『英単語』その18

権力、政治、狩猟に関係がある、つまり支配者層の生活にまつわる術語全ては、ノルマン語であり、例えば≪宮殿≫や≪城≫といった意味のpalace やcastleがそれである。アングロ=サクソン語は、高貴でない私的な残りの語、つまりhome とhearthといったものがあり…

『英単語』その17 ≪4 アングロ=サクソン語とオイル語の戦いそして英語への融合≫

4 アングロ=サクソン語とオイル語の戦いそして英語への融合 ノルマン人とアングロ=サクソン人と同じ戦場で戦うことになった二つの言語の要素とは斯様なものである。それからずっと後になって、城や町で融合することになったのだ。 まだまだ発展する力を持…

読み人知らず「クラリネットを壊しちゃった」

超逐語訳。 「ぼくのクラリネットのドが出ない」 ぼくのクラリネットのドが出ない ぼくのクラリネットのドが出ない ああ パパがこのこと知ったら どうしよう ああ パパがこのこと知ったら どうしよう おい お前!ってパパは言うだろう。 おい お前!ってパパ…

『英単語』その16 ≪3 オイル語≫

3 オイル語 一方、フランス語とは何だったのか、より正確に言えばオイル語(ウイをこのように言ったところから)と呼ばれていたものは? ギリシア語にかつてイオニア語、エオリア語、アッティカ語、ドーリア語があったように、四つの方言を数えた言語。≪フラン…

ステファヌ・マラルメ『音楽と文芸』より

お湯の沸騰する瞬間を 見るのが好きだ。 ただ単純に 現象としては 文明が自然の性質を用いているに過ぎないのだが 心象としてはそうではない。 蒸気機関を発明するほどの天才ではなくとも 何か心にざわめきを感じるのだ。 毎度毎度... だから毎度のように 鍋…

『英単語』その15

簡潔に、ここまでの話で、アングロ=サクソン語はどうなっているのか? 再び、主禱文の幾行かを引用するのがいいだろう。前回と同じ箇所であるのは、この言語の進化もしくは退化を判るようにするためである。 GEWEORTHE THIN WILLA ON EORTHAN, SWA-SWA ON H…

『英単語』その14

ブリテン島へ侵入する以前、デンマーク周辺のアングロ=サクソン語はスカンジナヴィア語の特徴を色濃く残しており、それはまったく失われなれず、それどころか非常に深く混ざり合っていたので、それが刷新されるのはデーン人の占領のときになってからなので…

ジュリア・クリステヴァ『詩的言語の革命』より

この間、世界を見た。 ポンピドゥーセンター一階の床一面に 世界地図が描かれていたのだ。 ちょいと悪戯心を起こしてみました的な 遊び心もたまには素敵なものですね的な アート感覚には ほどほどに ウンザリしているのだが 取り合えず 世界の真ん中に立って…

『英単語』その13

なんと惜しむべき不幸、これほどの草稿が失われてしまったとは。それは最後の侵略民であるデーン人が九世紀にこの地を荒らしてしまったからだ。全てが滅び、そうなるとアングロ族の栄光も陰り、いまやせいぜいウェセックス、エセックス、サセックス、ミドル…

『英単語』その12

八世紀の年代記作家ビーダによると現在の英国の北部及び東部がアングロ族の土地であり、南部並びに西部がサクソン族のものであった。ジュート族に関する記述は残っておらず、ただワイト島とケント州の一部に住んでいたということだけが分かっている。ケント…

『英単語』その11

低地ドイツ語族に関して、これだけに限って少し仔細に検討してみよう。過去に残された最も古い文学の痕跡は四世紀のものであり、ウルフィラスによる『福音書』のモゾ・ゴート語訳がそれであり、この言語はそれが話されたダキア*1の村民達によってこう呼ばれ…

『英単語』その10 ≪2 アングロ=サクソン語≫

2アングロ=サクソン語 ゴート語は二つに枝分かれしている。ひとつに高地ドイツ語、そしてひとつに低地ドイツ語。 前者をさらに分ければ、こういったものがあった。オトフリートとノトケルの『≪聖典≫注解』といった仕事に見られる古高ドイツ語、そして『ニ…

『英単語』その9

全く歴史的なこれらの頁はあちらでアングロ=サクソン語がこちらではオイル語が現れることになったものについて示すことにあり、ノルマン人が話していたのはこの二つの言語の方言であり、特殊なひとつの変異体でしかない。現在では英仏海峡と呼ばれている海…

『英単語』その8 「第二章 年代的記述」≪1 二つの要素≫

第二章 年代的記述 1 二つの要素 長い余談ではあるが、望むらくはこの章こそ大きな興味の的とならんことを。とは言え、後に説明されるものの何ものも、ここで語られることが役に立つことはないであろうが、また正確無比で本質的な事実として何ものも覆され…

『英単語』その7 ≪考察≫

考察 読者諸君、諸君らがここでご覧になっている一冊の著作の教えるものは筆記固有の特徴、つまり綴りと意味に限定されている。発音に関しては、二つに一つ、それを身に付けているか、先生にこれらの頁にある語彙のどれでも唱えて貰って、つまり補って貰って…